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ICBR 2022 – 27th International Congress for Battery Recycling opens in Salzburg, Austria

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27th International Congress for Battery Recycling opens in Salzburg, Austria September 2022

 

スイス本拠のICM主催による第27回国際電池リサイクル会議(ICBR)が、14日からオーストリア・ザルツブルグ市のコングレス・ザルツブルグにて16日まで開催された。(16日はワークショップと施設訪問ツアーのみ)今回もMIRUでは会議の全容を現地から報告する。

 

 2年以上にわたる新型コロナ感染症蔓延による制限措置の後、今年オンサイトの参加者は400人を超え、バーチャル参加者を含めると460人に達し、過去最高となった。参加者の国籍は、欧州が中心だが、EUへの渡航制限がほぼなくなったことから、米国、カナダ、コスタリカ、イスラエル、南アフリカ、ドバイ、インド、日本・中国・韓国など、世界各地から多数が集まった。

 

企業には、Umicore・ Fortum・Tesla・Glencore・Veolia・TES・ Call2Recycleなどの顔ぶれが見られた。メディアは、IRuniverseをはじめオランダのRecycling Internationalなど6件が参加した。展示コーナーでは今回は多くのブースが所狭しと並び、MTB ・Li-Cycle・LogBat・TES ・Glencore・URT・ Henkelなどの企業が揃った。テスラ・オーストリアからはEV・Model3が展示会場にて披露され、希望者はザルツブルグ市内を試乗できるが、早くから予約で埋まっていた。

 

初日のプログラムでは、新電池規則と業界への影響、新しく適用範囲に加えられる電動自転車・バイク・スクーターなどの軽輸送手段(LMT)と今後の市場予測および電池の回収状況や課題などについてプレゼンテーションが行われた。また、リチウムイオン電池のブラックマス処理における乾式・湿式などの抽出技術における研究・開発に関する発表も続いた。

 

 ブラックマスの質と不純物のレベルは有価物質の抽出処理に大きく影響することやその後のブラックマスの処理技術は今回大きな話題となった。

 

日本からは、国立環境研究所の寺園淳博士が、廃棄物管理におけるリチウムイオン電池の火災について、日本の現状と今後の課題についてのプレゼンテーションを行なった。欧州では日本の現状における情報が少ないなか、多くの参加者の興味を引き質問が次々に投げられた。欧州委員会・環境総局の担当者からは、電池規則の調整作業の進捗報告が行われた。法案内容における調整事項が非常に多く複雑なため、期待された年内の採択には至らないようだ。早くて2023年の春、あるいは夏以降までの持ち越される可能性も示唆された。

 

 2日目の15日は、登壇者の数が大幅に増えたため、二部に分かれたプレゼンテーションが同時進行で実施された。午前中の主議題として、リサイクルソリューションや、生産者責任組織による電池回収過程での安全対策などが語られた。リサイクルソリューションを手掛ける中国のBotreeは、LFPのリサイクルソリューションを手掛けており、同社による単純な計算ではLFPリサイクルの利益性を確保できると述べて、会場の反響を呼んだ。

 

 また、湿式に焦点を当てた革新的なリサイクル技術について、フィンランドの大学の研究者や南アフリカのCwenga Technologies が研究プロジェクトの発表・自社技術についての発表を行なった。アジアからは、韓国のKorea Zincが自社の湿式と乾式を組み合わせたより効率性の高いリサイクル技術を紹介した。

 

午後の議題は、リチウムイオン電池リサイクルにおける新しい進展およびリサイクル技術への斬新的な取り組みや、より効率的な回収処理技術など。仏Total Energyは、近年のLFPの増加とその安全性 や低コストなどの理由により、今後もこの技術は安定した市場を維持するという予測に基づき、LFPリサイクル技術の開発に着手している。プレゼンテーションでは、効果的な湿式によりリチウムをはじめとする金属の改結果を紹介し、商業化に向けてパートナーシップを呼びかけた。

 

 現在、欧州の電池業界における技術研究・開発および市場開発動向を見るにつけ、あらゆるセクターで新電池規則をはじめとするEUの政策・規制への対応の必要性が色濃く反映されている。今回の会議で紹介された、経済性の問題からリサイクルが困難なLFPのリサイクル技術・効率向上や、ブラックマスからのハイグレードな再生材の抽出技術への取り組みなどはその一例だ。これまでのリサイクル概念を超え、循環型で可能な限り資源を戻し、ループを閉じることを最終目標としたサーキュラーエコノミー原則を実現する技術の研究開発に焦点があてられていることが窺える。また、新電池規則で扱われることになっている物質別のリサイクル原料回収ターゲットや再生材の最低含有率の段階的設置も、電池グレードの再生材生産技術の加速化と処理コスト削減と利益性の向上への取り組みを牽引する要因となっている。

 

Source: IRuniverse, September 16, 2022