EV化・電動化が進展するなか、電池の重要性はますます高まっている。EUでは、電池規則の適用開始以降、本規則を補完する二次法令が段階的に公表され、各要件に必要な詳細が定められている。なかでも世界的に大きな注目を集めているのが、2027年2月から適用が始まるデジタル・バッテリー・パスポートである。
こうした背景を受け、ICBR会議の参加者数は年々増加しており、今回は約500人に達した。参加者は欧州域内にとどまらず、特にアジア、なかでも中国や韓国からの参加者および出展企業の存在感が増している。出展企業は全体で50社に上り、展示スペースは「満席」となった。会場には、Umicore、URT、Nickelhütte、Duesenfeld、Doorveen BVなど、リサイクラー、電池リサイクル設備関連企業、電池向けセキュリティー・ソリューション企業、電池化学関連企業など、幅広い電池関連事業者が集まった。
メディアパートナーは、日本から唯一参加したMIRUを含む13社である。会議恒例の自動車試乗では、BMWと、電動スクーターを手がける米Limeが今回のスポンサーを務める。
今回の会議でも例年どおり多数の登壇者を迎え、会場を二つに分けたパラレルセッションが2日間にわたって進行する。主な議題は、最新の電池リサイクル技術、クローズドループ、電池リサイクルに関する欧州プロジェクトの紹介、世界の電池リサイクル市場、電池の安全性に関する規制の最新動向などである。
なかでも、リサイクル技術に関するプレゼンテーションは多数予定されており、電池リサイクル技術分野が日々進歩していることがうかがえる。EUは現在、その多くがアジアへ流出しているとされるリチウムイオン電池由来のブラックマスを重要なリサイクル原料と位置づけており、これを域内にとどめるための規制を強化している。そのため、リサイクル技術の分野では、ブラックマスから回収・抽出される材料の高純度化技術にも注目が集まっている。加えて、電池リサイクル事業における経済性をめぐる議論も行われる。
さらに、規制に関するセッションも設けられている。初日のオープニングでは、欧州委員会の担当官から電池規則に関する最新報告が行われたほか、EPR(拡大生産者責任)に焦点を当てたセッションも用意されている。同セッションには、ELV業界からELV Forumも参加し、7月に発効した新ELV規則におけるEV用電池に関する講演を行う。
近年のEV普及・推進に伴い、電池関連業界と自動車関連業界に共通する課題は増加している。そのためICBRには、IARC(国際自動車リサイクル会議)の常連参加者の姿も目立つ。
9日および10日の会議セッションに続き、11日にはRECHARGEの主催により、欧州委員会共同研究センター(JRC)からスピーカーを迎え、EUにおけるリサイクル能力の向上をテーマとしたワークショップが開催される。またプラントツアーとしては、ドイツのリサイクラーであるAutorecycling Magdeburg、およびBMWの生産施設の見学が用意されている。
今回は非常に多岐にわたるセッションが予定されているため、各セッションの内容については、特に日本の業界にも影響を及ぼす可能性のあるテーマに焦点を当て、追って詳細を報告していく。
Source: iru-miru.com | September 2026